末永委員 |
今日の意見交換資料にありますように、今までそれぞれの分野で3回にわたって委員の方々のご意見がありましたので、それらをまとめて五戸地方における将来像ということについて総括的に議論しようということであったと思います。それが事務局の狙いであったかと思います。
ただ、そうはいっても今までつまらない抽象的なことを時々申したかもしれませんが、段々厳しくなってきたなと思いました。これは合併のことではございません。今の3町村でそれぞれ生産活動をし、製造をし、そしてまた新しいものをつくっていくということは、なかなか厳しい状況であることが良く分かります。しかしそれと同時に、それらを克服しながら新しい五戸、2万何千人になるこの新しい町の将来像をある程度展望しなければならないだろうと思います。
江渡委員の方から、高校生くらいの人達はあまり合併に興味を持っていないというお話しがありましたが、なるほどそうだと思いました。でも今高校生くらいの人達が興味を持ち、将来10年後か20年後にこの五戸地方に住んで本当に良かったなと思えるような将来像に向って、着実にどうこの地域をつくっていくかということが非常に重要ではないかと思います。
その中で大西委員からもありましたが、我々の21世紀というのはどういう社会になるのか。これはなかなか不透明でありますが、ただ確実に言えることがいくつかあります。まず少子高齢社会です。仮に結婚しても子供をつくらないということは明らかであります。今は1.36人くらいに落ちております。そういう中においては少子高齢社会になっていきます。2番目には、自然や環境というのが非常に重んじられるということです。それから3番目には、地域なり地方というのはそれぞれ自立しなさいということです。これは地方分権のからみでやっております。あとは情報化というふうなこともあります。こういうものは21世紀のいわゆるメガトレンドと俗に称しますが、そういったものは今本当についそこまで迫ってきているということです。
こういう大きな流れの中で五戸地方はそれらをどういうふうな形で具体的に受け止めて、将来像を示すのかということがこれからの将来像づくり、将来設計に大変重要になってくるのではないかと思います。
そうやって考えていきますと、例えば個々の産業でも、さきほど森林、林業の問題がありました。これから林業のあり方もかなり変わってくると思います。すでに北海道の上川町では林業後継者が非常に増えています。何故かというとやり方が違ってきているからです。つまり産業として、今までのように単に木を切ってそれを売るということ、あるいは製材にまわすということではなくて、自然とか環境というものを保持しながらどのような形において森林林業を守っていくのかということの観点に立てば、子供も増えるし、また、それに伴って自然環境等も保持されていくという、典型的なゆえんが上川町にはあるのではないかという気がしています。
そのような事例がすでにごくわずかではありますがでておりますので、そういったものを参考にしながら我々の最も課題としてあがってきているようなものも、それぞれ工夫していくことができるのではないかと思います。 |